生活の明かり、食卓の明かり
私たちは、太陽の光、室内の照明にも大きく影響されて生活しています。体内時計という言葉があるように、人の身体は光によって朝を意識したり、夜、寝る準備をします。昼間の太陽の光は白っぽく、朝日、夕陽は赤っぽいですよね。単純に、白っぽい光では快活になり、赤っぽい光の下では、ゆったりとしたくつろいだ気持ちになります。
現代の日本人の抱えるストレスは世界的にみても高いと、よく言われます。もちろん、理由はいろいろありますが、その一つに、光の効果によるところもあります。海外旅行をしたことがある方ならお気づきでしょうが、外国の部屋の明かりは、ほとんど白熱灯です。それもかなり暗めになっています。蛍光灯と使うのは倉庫、ガレージなどだけです。先ほど書いたように、白い明るい光を浴びていると、昼間と同じ高揚した状態になり、これを仕事を終えて帰った家庭内でやっていては、知らず知らずのうちに、疲れてしまいます。
日本も戦前までは白熱灯が主流でしたが、戦争に負けたショックから、気分だけでも明るくなりたくて、全て蛍光灯に変えてしまいました。また部屋の中の暗い部分もなくし、全てを均一に照らし出すようになりました。
欧米では、白熱灯の赤っぽい光で空間全体に最低限の光で照らし、本を読むなど必要なところに必要な光をスタンドなどを利用して採っていきます。つまり明るいところと暗いところ、両方があるから落ち着くのです。ステージで人が輝くのは、客席が暗いからです。舞台だけにスポットライトが当たっているので、人は軽い興奮状態になるのです。舞台も客席の隅々まで、全てスポットライトが当たって、暗いところが一箇所もなかったら、その空間には、人はイライラして、いてもたってもいられなくなってしまいます。
白い蛍光灯を使用しているご家庭は多いと思います。昼間働くオフィスでは白い蛍光灯を使用しているために、ご家庭でも、その延長だと身体が感じてしまい、つまり昼間と勘違いしてしまい、安らぎを得にくくなってしまいます。そのため、寝る前1〜3時間前には白熱灯の赤っぽい光にし、できれば調光して少し暗めに絞って、身体に寝る準備させる必要があります。また直接身体に当てずに、壁などに当て間接照明にするとより良いでしょう。もしくはキャンドルを灯して、好きなCDでも聞けば、かなりリラックスできます。
色の再現性も蛍光灯より白熱電球の方が優れています。色の再現性とは太陽の光を基準としており、白熱電球が太陽の光の波長とよく似ているためです。
もし食卓で蛍光灯を使用するなら、3波長型を使用してください。3波長とはトマトの赤、ナスの青、ピーマンの緑と光の3原色の再現性を高めたものです。これを使用すると、特に野菜の色が映え、美味しく見えます。
あまり広く知られていないのですが、実はモノには色はありません。普段私たちが赤いと思っているものは、光が反射して赤く見えているのです。だから蛍光灯、白熱灯、太陽光、ブラックライト、赤外線ランプなど、それぞれの光によって違う色に見えるのです。光の方に含まれる光の成分を、モノが反射させているだけなのです。
以前の日本では、味は良いのに見た目にツヤがないと自然農法の果物、有機野菜が敬遠されたり、リンゴにワックスを塗ったりと危険なことをやってきました。上記のことがわかると、使う光の種類を考えていくらでも美味しく見せることはできるのです。スーパーの肉売り場では、昔から赤っぽいランプを使って、肉の赤身を強調することをやってきました。最近ではグルメランプという黄色い成分の少ないランプが開発され、肉の黄ばみを抜いて赤みを強調させる効果を出しています。
さらに、食事が美味しく見える光があります。今度、高級レストランに行く機会があれば注意して見て欲しいのですが、光源の小さいハロゲンランプを使用したスポットライトが使われている、もしくはキャンドルがテーブルに置かれていることが多いです。これは、光源の小さいという点を利用しているのです。モノに光が当たると必ず映り込み、人の目に飛び込んできます。光源が小さくすることで、飛び込んでくる反射光を小さくし、点になった光がいくつもでき、キラキラとした輝きを演出しているのです。料理のソース、肉の表面のオイル、バター、肉汁が、キラキラした光沢感を持つことで初めておいしく見えるのです。レストランで蛍光灯が使われないのは、光が拡散し、点ではなく面の光になり、ボヤッとした空間になってしまうためです。この効果を最大限利用しているのは宝石売り場です、まず間違いなくランプのフィラメントの見える光源の小さい照明で、宝石の高級感を演出しています。食卓でも、この照明の効果を利用すると、料理そのものが美味しく感じ、インテリア、空間全体の雰囲気が良くなり、同じ料理でも2倍も3倍も美味しく感じることでしょう。
ご家庭内で、光の使い方で、いろいろな演出ができますね。
ちょっと特別な夜は、ハロゲンランプのスポットライトや、キャンドルの光を使ってテーブルを演出し、料理を美味しく見せたり、疲れが溜まってイライラした時は、キャンドルの光だけでお風呂に入ったり、工夫次第で生活に潤いを与えられると思います。ぜひお試しになってください。
|